最終更新:2017年1月10日

グリホサートの超低濃度曝露が脂肪肝を引き起こす

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Roundup, Monsanto by Mike Mozart on Flickr

 ロンドン大学などの研究チームは1月9日、ラウンドアップの主成分であるグリホサートを超低濃度で長期に与えたマウスに非アルコール性脂肪肝を引き起こすという研究結果をネイチャー関係の電子版ジャーナルScientific Reportsに発表しました。研究によれば、50ng/Lのグリホサートを含む飲料水をラットに2年間、与え続けたところ、対照区にくらべ、脂肪肝の発生が有意に増えたとしています。

 日本では、農薬の水道水水質基準はなく、管理目標値が設定されています。グリホサートは1リットル当たり2mgで、これは、体重53.3Kgの人が、1日に2リットル飲むと仮定し、グリホサートのADI(一日摂取許容量)0.75mg/kg体重/日の10%を水から取り込むとして算出されたもので、ラット試験の4万倍にあたります。

 EUのグリホサートのADIは、0.3mg/Kg体重で、日本よりも低いです。ちなみに、EUの飲料水は単一農薬で100ng/Lという規制があります。JMPRのADIは1mg/kg体重/日(グリホサートとAMPA(Aminomethyl phosphonic acid; グリホサートの代謝産物)の総量)です。

 ・食品安全委員会, 2016年7月
評価書 グリホサート

 なお、昨年、ドイツでは、ビール中にグリホサートが460ng/L 〜 29740ng/L検出された例があります。

 ・Sustainable Pulse, 2016年2月25日
German Beer Industry in Shock over Glyphosate Contamination
(2017年1月10日)